田瀬法律事務所の日記

2014年2月25日 火曜日

昭和のラーメン

先日、中性脂肪の数値がなかなか下がらないので、主治医から歩く距離を多めに取るよう指示されました。
当方は自宅と事務所が徒歩15分程度の距離なので、毎朝15分早く家を出て30分歩くよう主治医から指示を受けました。
雨の日、裁判所に自宅から直行する日で資料をカバンに多く詰めている日を除き、なるべくそのことを実践しています。
少しずつ事務所に向かうルートを変えるなどしていますが、食いしん坊の当方は、飲食店がいつも気になっており、興味を引く飲食店の前を通る際は、いつかこの店に行こうという気を起こしてしまいます。
そんな中で、駅から徒歩10数分という場所にあるラーメン店が気になっておりました。
それほど仰々しい看板を掲げているわけでなく、看板には「開業昭和35年」という書き込みがあり、看板に書かれているメニューもいわゆる昭和のラーメン店(中華料理店)ぽいものでした。
当方の事務所がある恵比寿はラーメン激戦区の一つですが、メインは豚骨系のラーメンです。
つい最近も駅のすぐ近くに二朗系の背脂ラーメンの店がオープンしたばかりです。
当方は30代まではそれこそこってり系が超大好きで、毎日食べても飽きないほどでした。
しかし40代になってからは、時々こってりしたラーメンを食べたくなることはありますが、連日は通うのは無理になりました。
今当方が好きなラーメンはあっさり系の醤油味のいわゆる昭和のラーメンです。
そうなったのには伏線があります。
当方の母は高齢になってからラーメンに目覚めるという不思議な体験をしています。
母はそれまではラーメンはどちらかと言うと嫌いな食べ物でした。
ところが、ここ数年2ヶ月に一度通っている病院の食堂で食べたラーメンにすっかり魅了されてしまい、2ヶ月に一度の病院行きが今では母の大きな楽しみの一つになっているのです。
母があまりにも勧めるので、当方もその病院の食堂のラーメンを食べてみました。
入っている具材といい、スープの味といい、確かに昭和の味がしました。
その病院の入院患者、通院患者は高齢者が多いため、そのような高齢者にとっては、青春時代の味がするラーメンで、そこが受け容れられた原因ではないかと思いました。
ただ、当方にはややパンチが足りなく感じました。
そんな思いをしている中で、今日そのラーメン店に行ってきました。
まさに昭和の味そのもの、当方が今追い求めているラーメンでまさしくど真ん中のストライクでした。
半分くらい食べ終えた時、テレビで見慣れた顔の男性が入ってきました。
お笑い芸人Tでした。
お店の人と親しげに話していたので、おそらく常連なのでしょう。
事務所に帰ってインターネットでその店を検索したところ、以前は原宿にあった老舗店で有名店であることがわかりました。
駅から遠いのが難点ですが、これからも時々行ってみようと思います。

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2014年2月21日 金曜日

真央ちゃんの涙

ソチオリンピックもいよいよ大詰めが近づいていますが、後半の種目で全国民の注目を集めたのは女子フィギュアスケートでした。
その中でも、国民的アイドルアスリートとも言ってよい浅田真央選手が前回のバンクーバーオリンピックのリベンジを果たすことができるかが、最大の注目でした。
当方も初日のショートプログラムは眠たい目を擦りながら観ておりましたが、最初のトリプルアクセルで転倒すると、その後は真央ちゃんらしくないミスを重ね、何とフリーで16位という信じられない結果に終わり、点数が表示された瞬間は、全国に悲鳴と落胆が渦巻いたことだと思います。
上位3人の成績と余りにも大きな開きがあったことから、その瞬間金メダルはもちろんのこと、メダルの可能性も消滅したと感じた国民は多かったと思います。
真央ちゃんのショートが終わって、そのまま起きていて事務所に出勤した当方は、事務局の女性に「フリーでどんなに頑張ってもメダルは取れないから、今日のフリーは観ない」と言いました。
そうすると、彼女から「真央ちゃんの集大成なので絶対に観て下さい」と言われ、当方は思わず「はい、観ます」と答えて、帰宅後フリー演技を観ました。
オリンピックや世界選手権、グランプリファイナルといった国際大会では最終組(上位6人)で滑走するのが当たり前の真央ちゃんにとって、第2組での滑走は屈辱的だったと思いますが、その屈辱を胸に抑えての無心での滑走は実に見事なもので、最初のトリプルアクセルを決めると、その後は全ての3回転ジャンプを決めて、見事フリーでの自己ベストをマークする圧巻の演技でした。
その演技を観ていて、当方も途中から涙が止らず、真央ちゃんも演技終了後に、堰を切ったように涙を溢れさせておりました。
今回のオリンピックでは高レベルの演技で見事に金メダルを獲得した羽生選手、復活したレジェンドこと葛西選手のメダル獲得など、感動を呼ぶ場面が多かったように思いますが、真央ちゃんのフリーの演技は一番の感動ものだったと思います。
以前から、真央ちゃんはこのオリンピックを集大成にしたいと公言しており、次の韓国でのオリンピックには出ない予定のようですが、今回のフリーの演技を観る限り、まだまだメダルは狙えると思います。
今回銅メダルを獲得したイタリアのコストナー選手は、3回目のオリンピックですが、以前は転倒しないで滑走し終えることが極めて少ない選手でした。
しかし、ここ2,3年は安定した滑走ができるようになり、世界選手権、グランプリファイナルなどでも優勝したり、上位入賞者の常連となり、今回も、安定した女性らしいしなやかな演技で見事に銅メダルを手にしました。
コストナー選手は27歳ですので、仮に真央ちゃんが次の平昌オリンピックまで競技を続けると仮定したなら、今のコストナー選手と同じ歳の27歳です。
平昌オリンピックで真央ちゃんを観たいと思う反面、また4年間重圧の中で過ごすことを考えると複雑な思いです。

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2014年2月20日 木曜日

真冬の嵐再び・・

2月8日、首都圏を数十年振りの大雪が襲い、交通機関が大きく乱れ、転倒等によるけが人が数多く出たことは触れました。
それから1週間経つか経たない14日、関東地方は再度大雪の洗礼を受けることになりました。
前日の天気予報では前回の大雪の半分以下の規模と言われておりましたが、東京では前回と同じ積雪を記録し、山梨県、群馬県などでは観測史上最大の積雪を記録し、数日間陸の孤島となった地域も出た程でした。
当方は前回の大雪で欠航となった札幌行の飛行機の代替便が16日早朝に飛ぶことになっていたので、非常に気を揉みましたが、何とか空港へアクセスすることができて、代替便も定刻に飛び立つことができました。
前回の大雪より積雪量が多かったため、被害も前回のそれを大きく上回り、前回より多くの死者が出たことは慚愧に堪えません。
自動車で移動中に大雪に見舞われ、自動車を置いて帰宅する途中に亡くなられた方もいたようで、大雪に慣れていない首都圏の方は、雪との付き合い方をよくご存知ないことが改めて浮き彫りになりました。
大雪が予想される時は、自動車は超不要不急以外の場合以外は絶対に乗ってはいけません。
通常のタイヤは雪に対して全く脆弱で、僅かの雪でもスリップしたりスタック(空回り)して進むことができません。
仕事などでどうしても車を出さないとならない場合はチェーンを付ける必要があります。
ところがこのチェーンを付けるのはなかなか難しいようで、短時間で装着できる方は少ないと思います。
ガソリンスタンドなどでは有料で装着してくれますが、冬はトランクにチェーンを是非入れておくようにしてほしいものです。
なぜなら、市街地ではガソリンスタンドなどで装着できますが、市街地以外の場所で大雪に遭遇した場合で近くにガソリンスタンドがないような場合は、自分でチェーンを装着する必要があります。
もしチェーンを積んでいない場合、多くの方はヒーター(カーエアコン)を付けますが、これはガソリンの消費を早め、またずっと付けっぱなしにしていると一酸化炭素中毒になる可能性があります。
そうなったら、とにかく携帯で消防などにSOS発信をすること、近くに民家があれば恥も外聞もなく助けを求めて飛び込むことを勧めます。
命あっての物だねですので、変なプライドなど捨てなくてはなりません。
もちろん民家の方には迷惑をかけると思いますが、後でいくらでも御礼をすれば済むことです。
大雪になった場合の危機管理について、今回はじっくりと考える機会を与えてくれたと思って頂きたいものです。

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2014年2月13日 木曜日

逆転法廷

弁護士の大きな仕事の一つは裁判であることは言うまでもありません。
我が国は三審制を採用しており、事件の最後の審理をする裁判所が最高裁判所であることは小学生でも知っていると思います。
そして、おそらく国民の相当多数は、同じ形式での裁判を3回する(繰り返す)ものと思っていることでしょう。
当方も大学の法学部に進学するまでは、単純に同じ裁判を3回繰り返すものだと思っていました。
しかし、実際の三審制は全く違う形で運用されております。
詳細は民事訴訟法、刑事訴訟法など、訴訟を規律する法律に詳しく定められており、そのような法律は、正直言ってあまり面白いものではないため、一般国民に殆ど浸透しません。
今風の言い方で言うなら、「ザックリ言うと」という言い方の方がわかりやすいかもしれませんが、第一審と控訴審(第二審)は基本的には同じような裁判を行う(全く同じことをするのではありませんが)のに対し、最高裁判所の裁判は第一審、第二審の裁判とは全く様相を異にします。
どういう事かと言うと、どんな事件でも最高裁判所で審理される訳ではないということです。
最高裁判所に対する申立ては上告と言いますが、民事の場合、上告をしても殆どの事件が最高裁判所で受け付けすらしてもらえないのです。
これを上告不受理と言って、いわば門前払いです。
仮にこの関門をクリアして審理されても、最高裁判所で判断が覆ることは殆どなく、99・9%が上告棄却という形で退けられます。
当方も刑事事件では数回最高裁判所まで持ち込んだ事件がありますが、民事では審理まで進んだことがありません。
もちろん上告はしたことがありますが、その全てが不受理(門前払い)でした。
昨年第一審で判決のあった民事事件があり、それは、まさかまさかの敗訴(全面敗訴)でした。
まさか敗訴するとは全く思っていなかった(全面勝訴するとばかり思っていました)ので、当然高等裁判所に控訴しました。
控訴してから、控訴を担当する高等裁判所にそれこそ「怒りの反論書」を出しました。
先日、控訴審の第1回裁判期日(法律的には第1回口頭弁論期日と言います)があり、裁判開始の宣言と同時に裁判長から
裁判の終結が宣言され、さらに和解勧告がありました。
つまり、高等裁判所は当事者から出された書面のみを審理し、それ以外の審理はせずに話し合いで解決するように進言をしたのです。
その裁判は裁判で一番争いになる事実関係については双方で争いがなく、法律(民法)の解釈のみが争点の事件だったのですから、双方が自己の立場の正当性を法的に述べた書面があれば、後はそれを裁判所に審理してもらうだけでしたので、そのような形になったのは、ある意味で至極当然と言えば当然だったわけです。
裁判で和解勧告があった時は、法廷ではなく、裁判官、書記官が詰めている書記官室に出向いて話し合いでの解決を試みます。
その件での和解勧告の冒頭で、和解担当の裁判官から「判決を見直す方向で和解勧告をします」という宣言がありました。
要は、第一審判決は誤りがあるので取り消されることになるものの、話し合いで終結させることはできないかを双方に裁判官が提案したのです。
つまり、話し合いによる決着を試みるものの、もし話し合いで結論が出ない場合は、逆転判決が下されることになった訳です。
最高裁判所で実質審理される事件は極めて少数ですので、裁判の実質的な帰趨を決めるのは第二審なのです。
まだ話し合いで決着する余地はありますが、話し合いで解決するとしてもこちら側に非常に有利な話し合い決着になります。
今後話し合いを断続的に続けますが、話し合いで解決しない場合は逆転判決の勝訴判決をもらうことになるでしょう。
もし、そうなったなら、民事での逆転判決は本当に久し振りで、感慨深いものがあります。

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2014年2月12日 水曜日

オリンピックに棲む魔物

オリンピックには魔物が棲んでいるということをよく聞きます。
今までに何回となく、圧倒的な金メダル候補と言われた大本命の選手が、メダルさえ取れずに無念の敗退をする場面を我々は目の当たりにしてきました。
普段通りの実力を出せば問題なく金メダルを取れる選手でも、オリンピックには独特の雰囲気があり、その雰囲気に呑まれて実力を発揮できなかった選手は、これまで数多くいました。
日本時間12日未明にテレビ中継された我が国期待の2つの競技は、言い古されたその言葉がぴったりと当てはまりました。
当方はその2つの競技を最後まで観ていたので、今大変な睡眠不足でこの日記を書いています。
1つ目の競技は日本国中に落胆と悲鳴が交錯した女子のスキージャンプです。
オリンピック前から圧倒的な金メダル候補と言われ、大本命と言われていた髙梨沙羅選手がまさか、まさかの4位に終わりました。
髙梨選手は、昨年から今年にかけてワールドカップ13戦中10勝の好成績を収め、優勝できなかった3回の大会でも表彰台を外しておらず、ワールドカップでの成績を前提とするなら、金メダル確率が約76%、メダル確率は100%という、数字からも大本命であることが裏付けられていたのです。
しかし、優勝したのは今年ワールドカップで、上位入賞経験はあるものの、優勝経験が1度もないドイツ人選手でした。
そして、髙梨選手はメダルも逃す4位という信じられない結果に終わり、未明の日本列島に落胆と悲鳴が交錯したのでした。
女子のスキージャンプ競技の結果が出る少し前、男子のスノーボードハーフパイプ競技でも似たようなことが起きていました。
この競技では、まさに神とも言われ、オリンピック2連覇中のショーン・ホワイト選手という絶対的大本命がおり、日本人の10代の若手選手はメダルの有力候補になっていたものの、金メダル獲得は難しいというのが事前の予想でした。
しかし、この競技でも絶対的大本命のホワイト選手は、まさかの4位に沈み、日本人の10代の若手選手2人が銀、銅のメダルに輝き、未明の日本列島が歓喜に包まれました。
同じ時間帯に行われた男女の競技で、共に大本命が4位という結果に終わり、まさにオリンピックには魔物が棲むという言い古された言葉が甦った日でした。
この言い古された言葉は、その理由として4年に1度のオリンピックにピークを作り上げることの難しさ、国中の期待が選手にとって大きなプレッシャーになってしまうことなどが言われています。
競馬でも、日本ダービーなどの大きなレースで、圧倒的な大本命馬が負けることが時々あります。
競馬に詳しい友人によると、大本命の馬に騎乗する騎手は当然それなりのプレッシャーを感じており、騎手の持つ手綱を通して騎手の心理的重圧が馬に伝わり、馬も生き物である以上、動物なりに感情的な揺れのようなものが働いて、能力どおりの力を発揮できないことがあるとのことです。
友人のその仮説が正しいかどうか、当方は動物学の専門家ではないので、コメントは控えますが、その仮説がある程度正しいとするならば、霊長類である人間は、どんな人間であれ、プレッシャーを受けることは避けられず、そのプレッシャーとどう闘う(向き合う)かが、大きな競技では非常に重要なことだと思います。
大本命であればあるほど、敵はライバル選手ではなく、自己の内にあるとでも言うべきなのでしょうか。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

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