田瀬法律事務所の日記

2012年11月 2日 金曜日

話題の事件と弁護士の不祥事@恵比寿の弁護士のブログ

現在、連日、新聞の社会面やニュース、テレビの情報番組を賑わしているのは、
尼崎で起きた大量の怪死事件です。
つい先日も岡山県の小さな漁港でコンクリート詰めされた男性の遺体が発見さ
れ、事件は猟奇的な色彩を帯び始めています。
大量の怪死事件の中心に位置するのが、60歳代の女性で、この女性の写真とし
て別人の写真が使われ、
それを載せたマスコミを中心とする報道機関は一切にお詫びをせざるを得ない状
況に追い込まれ、まだ当分話題になることは必至でしょう。
あまり報道されておらず、一部のサイトでの報道で非常に驚くことを知りました。
事件の首謀者とされる女性の弟が大阪の弁護士に難癖を付けて3億円以上を脅し
取った罪で平成20年に懲役14年の判決を受け、
その被害者ともいうべき弁護士が工面して尼崎大量怪死事件の首謀者とされる女
性の弟に支払ったお金は、依頼者である交通事故の遺族に渡すべき
保険金や遺産相続などで相手方から受け取り、これも依頼者に渡すべきお金だっ
たので、この弁護士も業務上横領の罪で起訴され、
同じ年に懲役9年の判決を受けたことです。
この弁護士(現在は元弁護士)はどんなことで犯人から難癖を付けられたのかわ
かりませんが、
自分にある程度は非があるなら、話し合いをしてお金を支払う方向に持って行く
べきだったと思います。
また、自分に非がなく、犯人の不当な言いがかりであったならば、言われるまま
に弁護士が絶対にやってはいけない禁じ手「依頼者の預かり金に手を付ける」に
出る必要はなく、
警察に訴えるなどして自身の身を守るべきではなかったでしょうか。
おそらく、言われるままに極端に多額のお金を、禁じ手を犯してまで渡している
ということは、つけ込まれても仕方ない弱みを握られていたような気がします。
それでも、仮に一定の不利益(弁護士会から業務停止などの処分を受けたりする
など)を受けたとしても、犯罪者になり、弁護士資格を失うことを考えれば、
絶対に禁じ手に出るべき必要はなかったと思います。
もちろん、この事件と尼崎の大量怪死事件は直接の関係はないと思いますが、今
後大量怪死事件の捜査が進んだ場合、
週刊誌などが記事にする可能性はあるかもしれませんね。
尼崎の大量怪死事件と弁護士の不祥事が思わぬ形で繋がって非常に驚いております。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

2012年11月 1日 木曜日

福岡県で続発する弁護士不祥事@恵比寿の弁護士のブログ

雑用に追われ暫く日記の更新をせずにおりました。
久し振りに日記の更新をします。
更新後の初めての話題は、恥ずかしい話ですが弁護士の不祥事のお話です。

今日、パソコンのインターネットを開いてニュースを見ていたところ、福岡県弁護士会所属の60歳代の弁護士が、認知症など財産管理能力をなくした人の財産を管理する後見人を後見活動を監督する後見監督人という立場を悪用して、後見人から1800万円を騙し取った容疑で警察に逮捕されたという記事を目にしました。
弁護士がその地位を悪用して他人から金を騙し取ったり、依頼者から預かったて管理している金を使い込み警察に逮捕される不祥事は時々あり、そのような事件がニュースや新聞で報道されるたびに、ごく一部の悪い弁護士のために、真面目に仕事をしている圧倒的多くの弁護士は肩身の狭い思いに駆られることを思うと、自分自身の心も重くなってしまいます。
ただ、福岡県では、近年、弁護士の不祥事が多発しており、これは明らかに異常なことだと思います。
昨年秋から冬ににかけて、福岡県では弁護士の不祥事が続発しました。
昨年7月、被害金額が何と5億円にのぼる詐欺と業務上横領の容疑で起訴されていた50歳代の弁護士に対し、懲役14年の判決が下ったのを皮切りに、10月には約2000万円近い使い込み(業務上横領)をした60歳代の弁護士に懲役3年(執行猶予5年)の判決が下り、11月には依頼人から預かった2500万円を使い込みした40歳代の弁護士が自ら警察に自首し、さらに自己破産をしました(自己破産によって弁護士資格が自動的に無くなります)。
そして今回の後見監督人の地位を悪用して不正に金を騙し取って逮捕された60歳代の弁護士の事件です。
岡県での弁護士の不祥事の連鎖は止まるところをしりません。
この4人は40歳代から60歳代であり、平均すると55歳くらいで、弁護士として一番油が乗る時期に、まさに、「万死に値する」と言うべき不祥事に手を染めており、私は「あなたたち、一体何を考えているのか」と思わず怒鳴りつけたい気持ちになりました。
不祥事を犯した本人達も、そのことが発覚した場合は弁護士資格が無くなることは当然知った上でのことであり、おそらく何か理由があってのことだと思いますが、どのような理由があったとしても、弁護士として、人として、絶対にやってはいけないことをどうしてやってしまったのか、非常に理解に苦しみます。
私も事務所を経営するようになって10年以上経ちますが、弁護士業は基本的には依頼人の方に来て頂き、依頼を受けないと収入は発生しません。
もちろん、費用が国から支払われる国選弁護の事件などもありますが、基本は一般の市民の方や法人(会社、団体)などからの依頼(その多くは民事の依頼)が収入の大半です。
それゆえ、オフィスビルやマンションを棟単位で所有し、それによる家賃収入が安定的に入るごく一部の弁護士を除いたく多くの弁護士の収入は、月によって当然ばらつきがあり、月によっては人件費や事務所の家賃、税金といった経費を支払い、最後に自分の生活費を取ると赤字になる月も出てきます。
私の事務所も例外ではなく、赤字の月も出ることがあります。
だし、そのような場合に備え、黒字の月にはできるだけ多くのお金を預金して、それを赤字の月の補てんに使っています。
ちろん、圧倒的に多くの弁護士は、赤字の月が出た場合であっても、翌月は経費を切りつめたり、無駄な出費をしないように気を遣うなどの方法でマイナスを最小限に止める努力をしており、預かっている依頼者のお金に手を付けるような犯罪行為は絶対にしません。
弁護士の数が約1000人の福岡県弁護士会で、立て続けに絶対に許されない犯罪に手を染める弁護士が出たこと自体極めて異常であると言わざるを得ません。
おそらく地元ではかなり大きく報道されていると思いますので、福岡県弁護士会所属の多くの弁護士は非常に肩身の狭い思いをしているに違いありません。
その意味で、福岡県弁護士会の一連の不祥事に関与した弁護士たち(そのうち3人が弁護士資格を失ったので、『元弁護士』となりました。今日報道された弁護士もいずれは『元弁護士』になるでしょう)の罪は、手を染めた犯罪以上に重いと言わざるを得ません。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

2012年10月30日 火曜日

事務所移転

田瀬法律事務所です。
11月19日より下記住所に事務所が移転することになりました。

【移転先】
〒150-0011
東京都渋谷区東3丁目15番7号 鶴間ビル3階

※電話番号・FAX番号に変更はございません。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

2012年6月25日 月曜日

司法修習生Wより

 このブログをご覧になっている皆様はじめまして。
 3月末から6月まで田瀬英敏法律事務所で弁護修習をさせていただいた司法修習生のWです。
 今回田瀬先生からブログに記事を掲載する機会をいただき,記事を書かせていただくこととなりました。
 司法修習における弁護修習では,指導担当の方の仕事の一部に関与させて頂くことを通じて,弁護士の業務について学びます。
 私の場合は,相談者との面談に立ち合わせていただいたり,裁判所に提出する書面の原案を作成させていただいたりして,仕事に関与させていただきました。
 今回の弁護修習を通じて,私が特に興味深く感じたのは,紛争に関する交渉についてです。
 弁護士の仕事は,紛争が起こった際に関与するだけではありませんが(あらかじめ紛争を防止する予防法務や企業経営に直接的に関与する戦略法務といったもの等があります),紛争解決への協力が主要な業務の一つであることは言うまでもありません。
 紛争解決の方法は,訴訟を起こす前に交渉で解決したり,訴訟を起こして請求を認める判決(請求認容判決)を得たり,訴訟を起こしたうえで和解をしたりと,様々です。
 請求認容判決を得てそれを執行する(訴えられる方からすれば,請求を認めない判決(請求棄却判決)を得る)というのは紛争解決の手段の一つではありますが,これには様々なコスト(費用,時間その他諸々)がかかってしまいます。
 紛争解決を(訴訟提起前後を問わず)交渉で解決することができれば,判決での解決に比べてコストを削減することができます。
 この交渉においては,様々な能力が要求されますが,一番重要なのはやはり「信頼」を得る能力だと今回の修習を通じて思いました。
 信頼できない人とはそもそも交渉をしたいと思いませんし,また何かしらの合意をしようとは思わないからです。
 信頼を得ることは大変難しい事ですが,そのための一番の近道はやはり「誠実である」ということでしょう。
 弁護修習を通じて,交渉に関わらせていただき,交渉の難しさ,興味深さそして交渉の際に必要な能力といったものを考えることができたように思います。
 私が法曹になった暁には修習の経験を活かして,良い交渉のできる者になりたいと思っています。
 最後に,この場を借りて事務所の方々にお礼を申し上げたいと思います。
 3か月間ありがとうございました。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

2012年4月10日 火曜日

司法修習生

約1ヶ月弱、細々とした雑務に追われ日記を書けずにいました。
先月下旬から6月下旬までの約3ヶ月間、司法修習生の実務研修(弁護修習)を指導することになりました。
司法試験に合格すると司法修習生となり、1年間(当方の時代は2年間)法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)の実務をそれぞれの実務家である裁判官、検察官、弁護士から指導を受けながら実地研修をします。
司法修習地は東京、大阪などの大都会から各都道府県に及び、当方は平成8年から1年4ヶ月間、北海道の函館市で実務修習をしました。
司法修習生は、法曹三者の実地研修をするわけですから、法律事務所で弁護士から指導を受けて行われる弁護修習は法律相談や依頼の際に指導弁護士とともに立ち会い、刑事弁護の際は警察署などで被疑者と接見(面談)を行い、訴状などの裁判関係の書面作成(起案)をして、それをチェックしてもらいます。
司法修習生は司法試験に合格したと言っても、机上の理屈だけで法律実務経験は素人同然ですから、起案した書面は原型を止めないくらい訂正箇所(いわゆる赤ペン)が入ることもあります。
幸い、当方は原型を止めなかった起案はありませんでしたが、半分くらい赤ペンを入れられることもありました(それが間違いなく現在の日々仕事の糧になっておりますので、非常に得難い経験でした)。
当事務所に弁護修習に来ている司法修習生は同じ大学の後輩で1回で司法試験に合格した若いですが非常に優秀なW君です。
既に中堅の法律事務所への就職内定が決まっているようですが、当事務所で実務修習をする3ヶ月の間にできるだけの経験を積んでいってほしいと思います。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

営業時間
月~金 10時~17時
※時間外で対応できる場合もあります。お問い合わせください。
定休日
土日、祝日

住所
〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-17-2
シャルマンコーポ恵比寿204
最寄駅
JR・東京メトロ 恵比寿駅 徒歩4分

お問い合わせ