田瀬法律事務所の日記

2014年2月10日 月曜日

真冬の台風

全国的に大雪が降った2月8日(土)は首都圏でも大雪が降り、東京では45年振りに27センチの積雪を記録するなど、想定外の大雪に大きな被害が出ました。
新聞などによると、東京を中心とする首都圏では雪かき中の事故などで2人が亡くなり、転倒などで700人近い方がケガをして病院に搬送されたとのことです。
けが人の数は救急車で病院搬送された方で、自分で病院に行くなど、記録に表れないケガをした方も含めると軽く2000人を超えているとの指摘もあります。
また雪による道路の凍結などで発生した交通事故などでの死者を含めると全国で亡くなった方は11名、ケガをして救急搬送された方は約1500人とのことです。
首都圏を中心にここまでの人的被害が発生したことから、これは雪による被害というものではなく、真冬の台風被害と呼んでもよいと思います。
当方もこの雪での影響をまともに受けた一人で、幸い転倒してケガをするようなことはありませんでしたが、8日に予定していた弁護士仲間とのゴルフは中止となり、9日から予定していた実家の札幌への一時帰省が飛行機の欠航で中止となってしまいました。
当方は雪国の札幌の出身なので、多少の雪には慣れており、今回首都圏を襲った大雪は、札幌では日常茶飯事のことです。
それゆえ、交通機関も大雪に対処できるような仕組みとなっており、自動車も雪が降り始める11月中から下旬にかけてスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)に替えます。
しかし、首都圏の交通機関は雪に対し非常に脆弱で、ちょっとした雪でも電車は止り、飛行機は欠航することになります。
今回の大雪では、羽田空港と並んで最近LCCの発着空港となっている成田空港へのアクセスが完全に遮断され、一時は数千人の方が成田空港で泊まらざるを得ない状況に追い込まれました。
今回のような大雪が再び降るとは思えませんが、近時の異常気象を考えると、次の襲来が数十年後ということは考えらず、数年後に又来ないとも限りません。
また今回ほどの大雪ではないにしろ、その何割程度の大雪でも、首都圏の交通機能は相当影響を受けますので、その対策を考えるべきでしょう。
特に今回の大雪は週末の土曜日でしたが、これが平日であったなら数多くの帰宅困難者が発生し、しかも極寒の中で帰宅できない状況になるわけですから、極端な話、命の危険もあり得ます。
今回は前日の金曜日に気象庁が異例の会見をして、翌日は不要不急以外の外出を避けるよう呼びかけたことで、混乱は最小限に止まりましたが、それでもある程度の帰宅困難者が生まれたことは間違いなく、今後、行政がどう取り組むのか注目したいと思います。
大雪の翌日に東京都知事選挙があり、大方の予想どおり桝添要一氏が新しい知事に就くことになりました。
桝添新知事には、そのあたりの防災対策についてよく検討してほしいと思います。

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2014年1月31日 金曜日

第4の権力?

今朝の情報番組で、大手ファミレス、大手飲料メーカーのそれぞれ新商品が消費者からのクレームで発売中止になったことを話題にしていました。
大手ファミレスの新商品は、「フォアグラ弁当」と名付けられた弁当で、高級料理のフォアグラがおかずのハンバーグの上に乗っています。
高級フレンチレストランでは非常に高価なフォアグラがリーズナブルな料金で販売されれば、おそらく人気商品となると読んでの発売だったと思います。
フォアグラは当方も数回食したことがありますが、非常に濃厚な味で、毎日食べるとなると食傷気味になると思いますが、赤ワインと合うので、時々食するなら美味しい料理だと思います。
ご存知のように、フォアグラはダチョウ、アヒルを、運動できないように狭い飼育場に飼っておいて、強引に栄養のあるエサを与えて脂肪肝を人工的に作り出し、その脂肪肝を味わう料理で、その飼育方法が非常に残酷でグロデスクだという抗議がファミレスに寄せられ、結局販売を見送ったとのことです。
大手飲料メーカーの新商品は、酒のCMのキャラクターに男性俳優とタキシード姿のカエルの人形を起用したところ、カエルの人形のキャラクターが未成年者を連想させ、結果的に未成年者の飲酒を増長させるという抗議がメーカ-にあり、これも同じく販売を見送ることになったそうです。
フォアグラは世界一の美食国家と言ってよいフランス料理の代表的メニューで、長い食文化を持つ料理です。
飼育方法が残酷だというのであれば、飼育している牛、豚、鳥なども同じことが言えるので、極端な話、肉料理は一切食べられないことになります。
酒のCMも同じで、非常に暴論ですが、多くの未成年者は20歳になって飲酒を始めるのではなく、その少し前から飲んでいます。
当方も高校3年生くらいの頃、家の中という条件付で酒、煙草は親が黙認していました。
このような家庭は結構あるように思います。
今は、数としては僅かな消費者のクレームでも、SNS、インターネットなどであっという間に増殖し、対応の仕方によっては、企業イメージを大きく損うことにもなりかねません。
近代国家における国家権力は、立法権、行政権、司法権の三権に分類され、それぞれが別の国家機関に属しています。
我が国も例外ではありません。
一時期マスコミが世論生成に大きく寄与することから、マスメディアが第4の権力と呼ばれた時期がありました。
しかし、最近のインターネットやSNSの急速な発展は、大手企業の販売戦略までも変更させうることも可能にしました。
こうなると、インターネット、SNSは第4の権力と言ってよい存在なのかもしれませんが、それなりに取材などによる裏付けをしてから報道するマスメディアと比較して、匿名性が高く、ある意味で無責任の言論が跳梁跋扈するインターネットやSNSが第4の権力を持つと評価されると、それは国家権力に取締の絶好の口実を与えることにもなりかねません。
それはまさに言論の自由(表現の自由)に対する国家権力の容喙を容易に許すことになり、非常に窮屈な国民生活を余儀なくされることに繋がりかねないと、当方は懸念しています。

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2014年1月20日 月曜日

昔の名前で出ています

昨年末、金銭スキャンダルで辞任した猪瀬前東京都知事の後任を選ぶ選挙(2月9日)まで残すところ3週間を切りました。
当初は舛添候補の大勝と思われていましたが、細川元首相が小泉元首相と反原発でタッグを組んで候補者として名乗りを挙げ、選挙戦は一転混沌としてきたような報道がなされています。
話はがらっと変りますが、当方の亡くなった父は年齢とともに趣味が変りました。
男女を問わず、そのような方は多いと思いますが、父の趣味は20代、30代の頃はオーディオ、40代、50代が釣り(海釣り)、60代以降はカラオケでした。
業務用カラオケ機材を買って、自宅でカラオケの練習をしていた光景を良く目にした記憶があります。
父が唄うのは、当然のことですが、昭和の演歌歌謡です。
そんな父が十八番(おはこ)としていた1曲が、小林旭が唄う「昔の名前で出ています」という曲でした。
石原裕次郎と並んで日本映画の全盛期を支え、歌手としても多くのヒット曲のある小林旭のこの曲は、カラオケの定番ソングで、中高年のカラオケファンで知らない人はいない曲です。
先日、細川元首相と小泉元首相のツーショットがニュース画面や新聞の一面に出た時、当方の頭になぜか、父が愛唱していたこの曲が流れました。
細川元首相は76歳、総理時代若く見えた小泉元首相も72歳ということです。
つまり元総理は明らかに過去の人であるにもかかわらず、過去の栄光を頼りに「夢よもう一度」と願っているように、当方の目には映ったのです。
お二人とも、一世を風靡した政治家で、特に自民党の独裁政権を打倒し、保守・中道の連立政権で首相になった細川元総理は、就任時に8割近い支持率を集め、日本国内は大変な細川フィーバーに涌いたという記憶があります。
小泉元首相も総理大臣在任中、安定して高い支持率を保ち、政治家が理想とする「余力を残しての退陣」を実現した希有な政治家です。
総理を辞め、政界を引退してから表舞台に殆ど出ることのなかった小泉元首相が昨年秋から急にマスコミに顔を出し、盛んに反原発を声高に主張しています。
それに呼応するかのように、政治家を引退して20年以上経ち、陶芸家として典型的な隠居生活を送っていたと思われる細川元首相の都知事選立候補には大変驚きました。
ただ、細川元首相、小泉元首相とも自然年齢は隠せず、正直言って「古色蒼然」という形容がぴったりです。
小泉元首相の演説、パフォーマンスの上手さで街頭演説には多くの聴衆が集まるかもしれませんが、当選は極めて厳しいと思います。
創価学会という非常に選挙に強い組織を持っている公明党が支持し、自民党支持者からもそれなりに票を集められる舛添候補の圧勝だと思います。
当方は社民党、共産党公認の宇都宮候補が降りて反原発票を一本化できれば、面白い勝負になると思っていましたが、仮に宇都宮候補が降りても、細川候補は舛添候補に届かないと思います。
細川元首相と小泉元首相のツーショット映像(写真)を見て、頭に「昔の名前で出ています」のメロディーが流れた40代以降の方は結構いたと思います。
そしてそのような方の多くが当方と同じ感想を持ったと思います。

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2014年1月 7日 火曜日

年末年始の風景

当事務所は、本日から新年の営業です。
昨年度は12月28日から休みを取らせて頂きましたので、10連休明けです。
年末年始は、当方の実家がある札幌で過ごしました。
年末年始の雑感を取留めのないままに綴らせていただきます。

まず1つ目です。
今年は年末年始に全国的な寒波が襲いましたが、北海道も例外ではなく、帰省していた期間雪の降らない日はありませんでした。
当方は毎年帰省するわけではありませんが、こんなに雪が多かった正月は久し振りでした。
実家の母も同じことを言っておりました。
大晦日は久し振りに紅白歌合戦を観て過ごしました。
当方が幼い頃、大晦日は家族揃って紅白歌合戦を観て、それが終わってから年越し蕎麦を家族で口にするというのが全国的な風物詩でした。
当方が小学生のころ、紅白歌合戦の視聴率が80%を超えたような記憶があります。
ところが、世の中が多様化し、大晦日は家族全員で紅白を観ることが当たり前ではなくなりました。
紅白を観たり、裏番組を観たり、或いは友達同士で集まって飲んだり食べたりなど、家族が別々に大晦日を過ごすようになりました。
当方も例外ではなく、一時期は母は紅白を観て楽しみ、当方と父は格闘技を観て過ごすパターンが暫く続きました。
そんなわけで、当方はここ20年くらい紅白を観た記憶がありません。
昨年は20年振りくらいに紅白を観ましたが、結構面白く観戦できました。
国民的人気を得た「あまちゃん」の出演者を効果的に使った演出も光り、視聴率は最近でも一番だったそうです。
いつも観る格闘技は録画して正月に観ていました。

次に2つ目ですが、年末に悲惨な事件が海外で起きました。
新婚旅行で訪れた南米のエクアドルで日本人夫婦が乗ったタクシーが強盗に襲われて、夫が銃撃されて死亡し、妻が大けがを負ったニュースです。
エクアドルは「ガラ携」で有名なガラパゴス諸島に行く玄関先の国で、世界各地から多くの観光客が訪れるようです。
エクアドルを含む他の中南米諸国では「特急誘拐」と呼ばれる、一種の集団強盗による被害が頻繁に発生し、とりわけ外国人は金を持っていると思われているので、よく狙われることがあるそうです。
ただ、殺害にまで至るケースは非常に少なく、今回殺傷劇になったのは妻の身を案じた夫が強く抵抗し、それが仇となって殺害されたのではないか思われます。
幸せの頂点から不幸のどん底に落とされた被害者とその遺族・家族には、何と言ってよいか言葉が見つかりません。
この事件では大統領が陣頭指揮を取って徹底的な捜査をして犯人を逮捕すると語っている様子がニュース映像で流れていますが、観光以外にめぼしい外貨獲得手段が殆どないエクアドルでは、犯人は、国の利益を大きく侵害する「国賊」となったと思います。
そのことは全国民を敵に回したと同じかもしれません。
中南米では屡々残虐な刑罰が行われることで有名ですが、もし犯人が逮捕された場合、形式的な裁判をあっさりと済ませてから衆人監視のもとでの銃殺刑の執行という事態もないとはいえません。
犯人のしたことは許せませんが、(余計なことかもしれません)しかし仮にそのような事態になれば弁護士として重い気分になります。

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2013年12月25日 水曜日

とうとう起きてしまった不幸

早いもので、今年も残すところあと数日です。
子供の頃は一年が過ぎるのがひどく長く感じましたが、青年期を迎えた頃から一年が過ぎるのが結構早く感じるようになりました。
社会人になってからは、年を取るごとに年月の経過を本当に早いと感じるようになりました。
なかなか司法試験に合格せず、腐っていたころがちょうど昭和から平成になる頃でした。
今年は平成25年で、あと数日経てば平成26年です。
前置きが長くなってしまいましたが、先日、都内で大変悲惨な無理心中と思しき事件が起きました。
妻と離婚調停中の男性が、子供が部活動をしている少学校のグラウンドに押しかけて、子供と自分自身に灯油を浴びせて火をつけたのです。
男性は焼死し、小学生の男子児童は大やけどを負って重体になるという悲惨な事件でした。
小学生の児童は、母親が連れて別居しており、母親が児童と男性が会わせないようにしたため、陰惨な形での無理心中になってしまったようです。
実は、我々の業界の一部では、このような悲惨な事件がいつ起きるのかと気にかけていたのです。
離婚案件は、弁護士であれば日常的に相談や依頼を受ける案件で、当方も多い時は4,5件同時に担当しておりました。
ここ数年、妻から依頼を受けた弁護士が子供の親権を事実上取るため、妻に子供を連れて家を出て絶対に夫に子供を会わせないよう指示するケースが増大しております。
その結果、夫婦の争いが、夫と妻の弁護士同士の争いに発展し、子供のことはそっちのけで醜い争いになる事例が増えております。
幼い子供がいる夫婦が離婚する場合、離婚後親権を持たない一方(圧倒的に夫)が年に数回子供と2人だけで過ごせるよう取決めをすることがあります。
いわゆる面接交渉権です。
極論ですが、中高年(子供の殆どが成人しています)夫婦の離婚の場合は、財産分与が争点となりますが、若年の夫婦の場合は養育費と面接交渉権が争点となります。
そして、養育費をつり上げる手段として子供の連れ去りを妻に指示する弁護士がおり、これが弁護士会で問題となっています。
当方も面接交渉が争点である離婚事件を担当したことが相当数ありますが(本日その中の1件が平穏に解決しました)、当方はそのようなことはしません。
相手に弁護士がついている場合であってもそうでなくても、基本的には話し合いによる平穏な解決を基本としております。
弁護士の中には一度決めた面接交渉権を平気で無視するよう指示する者もおり、そのような無視に対抗する法的手段(これを間接強制と言いますが、その説明は今回は割愛させて頂きます)すら無視するような弁護士もおり、これは社会のルールを守りながらトラブルを解決する弁護士の資質に悖るものであり、そのような手法を駆使する弁護士は存在価値がないと思います。
今回の父子無理心中事件の背後にそのような弁護士の存在があったのかどうか、報道を見る限りはわかりませんが、そのような弁護士がいる限り、今回のような悲劇はまた起こりそうな気がしてなりません。
このような事件で一番の皺寄せを受けて不幸になるのは幼い子であることをどうかわかってもらいたいと思います。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL

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