田瀬法律事務所の日記
2014年2月12日 水曜日
オリンピックに棲む魔物
オリンピックには魔物が棲んでいるということをよく聞きます。
今までに何回となく、圧倒的な金メダル候補と言われた大本命の選手が、メダルさえ取れずに無念の敗退をする場面を我々は目の当たりにしてきました。
普段通りの実力を出せば問題なく金メダルを取れる選手でも、オリンピックには独特の雰囲気があり、その雰囲気に呑まれて実力を発揮できなかった選手は、これまで数多くいました。
日本時間12日未明にテレビ中継された我が国期待の2つの競技は、言い古されたその言葉がぴったりと当てはまりました。
当方はその2つの競技を最後まで観ていたので、今大変な睡眠不足でこの日記を書いています。
1つ目の競技は日本国中に落胆と悲鳴が交錯した女子のスキージャンプです。
オリンピック前から圧倒的な金メダル候補と言われ、大本命と言われていた髙梨沙羅選手がまさか、まさかの4位に終わりました。
髙梨選手は、昨年から今年にかけてワールドカップ13戦中10勝の好成績を収め、優勝できなかった3回の大会でも表彰台を外しておらず、ワールドカップでの成績を前提とするなら、金メダル確率が約76%、メダル確率は100%という、数字からも大本命であることが裏付けられていたのです。
しかし、優勝したのは今年ワールドカップで、上位入賞経験はあるものの、優勝経験が1度もないドイツ人選手でした。
そして、髙梨選手はメダルも逃す4位という信じられない結果に終わり、未明の日本列島に落胆と悲鳴が交錯したのでした。
女子のスキージャンプ競技の結果が出る少し前、男子のスノーボードハーフパイプ競技でも似たようなことが起きていました。
この競技では、まさに神とも言われ、オリンピック2連覇中のショーン・ホワイト選手という絶対的大本命がおり、日本人の10代の若手選手はメダルの有力候補になっていたものの、金メダル獲得は難しいというのが事前の予想でした。
しかし、この競技でも絶対的大本命のホワイト選手は、まさかの4位に沈み、日本人の10代の若手選手2人が銀、銅のメダルに輝き、未明の日本列島が歓喜に包まれました。
同じ時間帯に行われた男女の競技で、共に大本命が4位という結果に終わり、まさにオリンピックには魔物が棲むという言い古された言葉が甦った日でした。
この言い古された言葉は、その理由として4年に1度のオリンピックにピークを作り上げることの難しさ、国中の期待が選手にとって大きなプレッシャーになってしまうことなどが言われています。
競馬でも、日本ダービーなどの大きなレースで、圧倒的な大本命馬が負けることが時々あります。
競馬に詳しい友人によると、大本命の馬に騎乗する騎手は当然それなりのプレッシャーを感じており、騎手の持つ手綱を通して騎手の心理的重圧が馬に伝わり、馬も生き物である以上、動物なりに感情的な揺れのようなものが働いて、能力どおりの力を発揮できないことがあるとのことです。
友人のその仮説が正しいかどうか、当方は動物学の専門家ではないので、コメントは控えますが、その仮説がある程度正しいとするならば、霊長類である人間は、どんな人間であれ、プレッシャーを受けることは避けられず、そのプレッシャーとどう闘う(向き合う)かが、大きな競技では非常に重要なことだと思います。
大本命であればあるほど、敵はライバル選手ではなく、自己の内にあるとでも言うべきなのでしょうか。
今までに何回となく、圧倒的な金メダル候補と言われた大本命の選手が、メダルさえ取れずに無念の敗退をする場面を我々は目の当たりにしてきました。
普段通りの実力を出せば問題なく金メダルを取れる選手でも、オリンピックには独特の雰囲気があり、その雰囲気に呑まれて実力を発揮できなかった選手は、これまで数多くいました。
日本時間12日未明にテレビ中継された我が国期待の2つの競技は、言い古されたその言葉がぴったりと当てはまりました。
当方はその2つの競技を最後まで観ていたので、今大変な睡眠不足でこの日記を書いています。
1つ目の競技は日本国中に落胆と悲鳴が交錯した女子のスキージャンプです。
オリンピック前から圧倒的な金メダル候補と言われ、大本命と言われていた髙梨沙羅選手がまさか、まさかの4位に終わりました。
髙梨選手は、昨年から今年にかけてワールドカップ13戦中10勝の好成績を収め、優勝できなかった3回の大会でも表彰台を外しておらず、ワールドカップでの成績を前提とするなら、金メダル確率が約76%、メダル確率は100%という、数字からも大本命であることが裏付けられていたのです。
しかし、優勝したのは今年ワールドカップで、上位入賞経験はあるものの、優勝経験が1度もないドイツ人選手でした。
そして、髙梨選手はメダルも逃す4位という信じられない結果に終わり、未明の日本列島に落胆と悲鳴が交錯したのでした。
女子のスキージャンプ競技の結果が出る少し前、男子のスノーボードハーフパイプ競技でも似たようなことが起きていました。
この競技では、まさに神とも言われ、オリンピック2連覇中のショーン・ホワイト選手という絶対的大本命がおり、日本人の10代の若手選手はメダルの有力候補になっていたものの、金メダル獲得は難しいというのが事前の予想でした。
しかし、この競技でも絶対的大本命のホワイト選手は、まさかの4位に沈み、日本人の10代の若手選手2人が銀、銅のメダルに輝き、未明の日本列島が歓喜に包まれました。
同じ時間帯に行われた男女の競技で、共に大本命が4位という結果に終わり、まさにオリンピックには魔物が棲むという言い古された言葉が甦った日でした。
この言い古された言葉は、その理由として4年に1度のオリンピックにピークを作り上げることの難しさ、国中の期待が選手にとって大きなプレッシャーになってしまうことなどが言われています。
競馬でも、日本ダービーなどの大きなレースで、圧倒的な大本命馬が負けることが時々あります。
競馬に詳しい友人によると、大本命の馬に騎乗する騎手は当然それなりのプレッシャーを感じており、騎手の持つ手綱を通して騎手の心理的重圧が馬に伝わり、馬も生き物である以上、動物なりに感情的な揺れのようなものが働いて、能力どおりの力を発揮できないことがあるとのことです。
友人のその仮説が正しいかどうか、当方は動物学の専門家ではないので、コメントは控えますが、その仮説がある程度正しいとするならば、霊長類である人間は、どんな人間であれ、プレッシャーを受けることは避けられず、そのプレッシャーとどう闘う(向き合う)かが、大きな競技では非常に重要なことだと思います。
大本命であればあるほど、敵はライバル選手ではなく、自己の内にあるとでも言うべきなのでしょうか。
投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL
2014年2月10日 月曜日
真冬の台風
全国的に大雪が降った2月8日(土)は首都圏でも大雪が降り、東京では45年振りに27センチの積雪を記録するなど、想定外の大雪に大きな被害が出ました。
新聞などによると、東京を中心とする首都圏では雪かき中の事故などで2人が亡くなり、転倒などで700人近い方がケガをして病院に搬送されたとのことです。
けが人の数は救急車で病院搬送された方で、自分で病院に行くなど、記録に表れないケガをした方も含めると軽く2000人を超えているとの指摘もあります。
また雪による道路の凍結などで発生した交通事故などでの死者を含めると全国で亡くなった方は11名、ケガをして救急搬送された方は約1500人とのことです。
首都圏を中心にここまでの人的被害が発生したことから、これは雪による被害というものではなく、真冬の台風被害と呼んでもよいと思います。
当方もこの雪での影響をまともに受けた一人で、幸い転倒してケガをするようなことはありませんでしたが、8日に予定していた弁護士仲間とのゴルフは中止となり、9日から予定していた実家の札幌への一時帰省が飛行機の欠航で中止となってしまいました。
当方は雪国の札幌の出身なので、多少の雪には慣れており、今回首都圏を襲った大雪は、札幌では日常茶飯事のことです。
それゆえ、交通機関も大雪に対処できるような仕組みとなっており、自動車も雪が降り始める11月中から下旬にかけてスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)に替えます。
しかし、首都圏の交通機関は雪に対し非常に脆弱で、ちょっとした雪でも電車は止り、飛行機は欠航することになります。
今回の大雪では、羽田空港と並んで最近LCCの発着空港となっている成田空港へのアクセスが完全に遮断され、一時は数千人の方が成田空港で泊まらざるを得ない状況に追い込まれました。
今回のような大雪が再び降るとは思えませんが、近時の異常気象を考えると、次の襲来が数十年後ということは考えらず、数年後に又来ないとも限りません。
また今回ほどの大雪ではないにしろ、その何割程度の大雪でも、首都圏の交通機能は相当影響を受けますので、その対策を考えるべきでしょう。
特に今回の大雪は週末の土曜日でしたが、これが平日であったなら数多くの帰宅困難者が発生し、しかも極寒の中で帰宅できない状況になるわけですから、極端な話、命の危険もあり得ます。
今回は前日の金曜日に気象庁が異例の会見をして、翌日は不要不急以外の外出を避けるよう呼びかけたことで、混乱は最小限に止まりましたが、それでもある程度の帰宅困難者が生まれたことは間違いなく、今後、行政がどう取り組むのか注目したいと思います。
大雪の翌日に東京都知事選挙があり、大方の予想どおり桝添要一氏が新しい知事に就くことになりました。
桝添新知事には、そのあたりの防災対策についてよく検討してほしいと思います。
新聞などによると、東京を中心とする首都圏では雪かき中の事故などで2人が亡くなり、転倒などで700人近い方がケガをして病院に搬送されたとのことです。
けが人の数は救急車で病院搬送された方で、自分で病院に行くなど、記録に表れないケガをした方も含めると軽く2000人を超えているとの指摘もあります。
また雪による道路の凍結などで発生した交通事故などでの死者を含めると全国で亡くなった方は11名、ケガをして救急搬送された方は約1500人とのことです。
首都圏を中心にここまでの人的被害が発生したことから、これは雪による被害というものではなく、真冬の台風被害と呼んでもよいと思います。
当方もこの雪での影響をまともに受けた一人で、幸い転倒してケガをするようなことはありませんでしたが、8日に予定していた弁護士仲間とのゴルフは中止となり、9日から予定していた実家の札幌への一時帰省が飛行機の欠航で中止となってしまいました。
当方は雪国の札幌の出身なので、多少の雪には慣れており、今回首都圏を襲った大雪は、札幌では日常茶飯事のことです。
それゆえ、交通機関も大雪に対処できるような仕組みとなっており、自動車も雪が降り始める11月中から下旬にかけてスノータイヤ(スタッドレスタイヤ)に替えます。
しかし、首都圏の交通機関は雪に対し非常に脆弱で、ちょっとした雪でも電車は止り、飛行機は欠航することになります。
今回の大雪では、羽田空港と並んで最近LCCの発着空港となっている成田空港へのアクセスが完全に遮断され、一時は数千人の方が成田空港で泊まらざるを得ない状況に追い込まれました。
今回のような大雪が再び降るとは思えませんが、近時の異常気象を考えると、次の襲来が数十年後ということは考えらず、数年後に又来ないとも限りません。
また今回ほどの大雪ではないにしろ、その何割程度の大雪でも、首都圏の交通機能は相当影響を受けますので、その対策を考えるべきでしょう。
特に今回の大雪は週末の土曜日でしたが、これが平日であったなら数多くの帰宅困難者が発生し、しかも極寒の中で帰宅できない状況になるわけですから、極端な話、命の危険もあり得ます。
今回は前日の金曜日に気象庁が異例の会見をして、翌日は不要不急以外の外出を避けるよう呼びかけたことで、混乱は最小限に止まりましたが、それでもある程度の帰宅困難者が生まれたことは間違いなく、今後、行政がどう取り組むのか注目したいと思います。
大雪の翌日に東京都知事選挙があり、大方の予想どおり桝添要一氏が新しい知事に就くことになりました。
桝添新知事には、そのあたりの防災対策についてよく検討してほしいと思います。
投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士) | 記事URL