田瀬法律事務所の日記
2013年8月28日 水曜日
悪ふざけ投稿写真での損害賠償
連日、飲食店を中心に、店員(アルバイトを含む)が悪ふざけ写真をツイッターなどに投稿する事件が後を絶たない。
最近は、客がテーブルの醤油さしなどに口をつけた写真を投稿するなど、一部の若者のモラルの低下は止まるところを知らない勢いである。
お盆前後に実家に帰省した際に、以前から贔屓にしている寿司屋に行った時、寿司屋の店主から閉店後に相談があると言われた。
寿司屋を出て指定された馴染のバーで店主を待っていると、深刻そうな様相で店主が現れ、相談したいことを話し始めた。
店主には一男一女がおり、大学生の息子が大手の飲食店(チェーン店)でアルバイトをしているらしく、息子は付和雷同的な性格なので、もし、アルバイト先で仲間にけしかけられて悪ふざけ写真をツイッターに投稿し、それが勤め先に発覚して損害賠償請求をされると一体どのくらいの損害賠償を支払わなければならないのかとの質問だった。
店主は、昨年借金して店を改装したため1000万円近い借金を負っており、さらに親戚に保証人になってもらっているので、もし息子がそのような不祥事を起こして巨額の損害賠償を請求された場合、店を閉じるだけでは止まらず、親戚にも大迷惑をかけることになるので、その場合は死んでお詫びをするつもりであると、恰も息子がそのようなことをしでかしたような口ぶりであった。
ステーキチェーン店のある店舗で、店員が悪ふざけ写真を投稿し、その店が閉鎖になったニュースを見て、もし息子がアルバイトをしている店舗でそのようなことが起きて店舗が閉鎖になった場合、少なくとも数千万円の損害賠償請求をされると思い込んだらしい。
仮に飲食店のチェーン店でそのような事態になってチェーン店の本部が店を閉鎖した場合、賠償額はそのような巨額になることはない。
なぜなら、そのような不祥事が起きたとしても店を閉鎖する必要性は一般的に感じられず、閉鎖する必要のない店舗を閉鎖することで、
本部が閉鎖しなかったなら得られたであろう利益を賠償請求することは民法の大原則(損害賠償は相当の範囲-これを因果関係と言うーで行うべき)に抵触するからである。
おそらく損害額としては、食材を廃棄した食材の価額、一定期間店舗を閉鎖したことによるその期間の営業利益、風評被害に伴う損害額などで、
高くても300万円近い金額ではないかと推定される。
それを聞いて店主はホッとした顔になったが、当方は仮に息子がそのような不祥事に手を染めたなら、その責任は息子に負わせるべきである旨を指摘した。
200万円、300万円くらいの金は息子が長い期間かかっても被害者に支払わせるべきで、それはまさに社会のルール(自己責任原則)であると当方は言ったが、店主は、当方の言うことは判るものの、おそらくそのうちの何割かは自分と妻が出すことになるのではと言っていた(親バカであると自嘲的にではあるが・・・)。
当方も学生時代には飲食店などでアルバイトをした経験があるが、そのころツイッターや携帯電話などが全く存在しない時代であったこともあるが、仮にあったとしても、そのような悪ふざけ写真などを投稿することは考えもしなかったと思う。
これも新聞記事に掲載されていた記事であるが、振込め詐欺で被害者から金を受け取る役割の者の7から8割が10代後半から20代前半の若者とのことである。
おそらく高額のアルバイト代に魅せられて悪事に手を染めているものと予想されるが、その中には中学生も時々いるという。
犯行グループからすると、末端にそのような者を置いておくと追跡されにくくなるので、まさに犯行グループと若者の利害が一致したわけである。
悪ふざけ投稿写真や振込め詐欺に加担する若者の増加は、おそらくこの閉塞された社会と無関係ではないと思われる。
そもそも、非正規雇用者が3割近いという社会は、当方から言わせると異常そのものである。
おそらく我が国は、この後余程しっかりしたリーダーが出て社会全体を引っ張っていかないと、どんどん駄目な国になりそうな気がする。
当方は宗教にそれほと興味がないが、まさに「救世主」的なリーダーの出現が望まれる。
最近は、客がテーブルの醤油さしなどに口をつけた写真を投稿するなど、一部の若者のモラルの低下は止まるところを知らない勢いである。
お盆前後に実家に帰省した際に、以前から贔屓にしている寿司屋に行った時、寿司屋の店主から閉店後に相談があると言われた。
寿司屋を出て指定された馴染のバーで店主を待っていると、深刻そうな様相で店主が現れ、相談したいことを話し始めた。
店主には一男一女がおり、大学生の息子が大手の飲食店(チェーン店)でアルバイトをしているらしく、息子は付和雷同的な性格なので、もし、アルバイト先で仲間にけしかけられて悪ふざけ写真をツイッターに投稿し、それが勤め先に発覚して損害賠償請求をされると一体どのくらいの損害賠償を支払わなければならないのかとの質問だった。
店主は、昨年借金して店を改装したため1000万円近い借金を負っており、さらに親戚に保証人になってもらっているので、もし息子がそのような不祥事を起こして巨額の損害賠償を請求された場合、店を閉じるだけでは止まらず、親戚にも大迷惑をかけることになるので、その場合は死んでお詫びをするつもりであると、恰も息子がそのようなことをしでかしたような口ぶりであった。
ステーキチェーン店のある店舗で、店員が悪ふざけ写真を投稿し、その店が閉鎖になったニュースを見て、もし息子がアルバイトをしている店舗でそのようなことが起きて店舗が閉鎖になった場合、少なくとも数千万円の損害賠償請求をされると思い込んだらしい。
仮に飲食店のチェーン店でそのような事態になってチェーン店の本部が店を閉鎖した場合、賠償額はそのような巨額になることはない。
なぜなら、そのような不祥事が起きたとしても店を閉鎖する必要性は一般的に感じられず、閉鎖する必要のない店舗を閉鎖することで、
本部が閉鎖しなかったなら得られたであろう利益を賠償請求することは民法の大原則(損害賠償は相当の範囲-これを因果関係と言うーで行うべき)に抵触するからである。
おそらく損害額としては、食材を廃棄した食材の価額、一定期間店舗を閉鎖したことによるその期間の営業利益、風評被害に伴う損害額などで、
高くても300万円近い金額ではないかと推定される。
それを聞いて店主はホッとした顔になったが、当方は仮に息子がそのような不祥事に手を染めたなら、その責任は息子に負わせるべきである旨を指摘した。
200万円、300万円くらいの金は息子が長い期間かかっても被害者に支払わせるべきで、それはまさに社会のルール(自己責任原則)であると当方は言ったが、店主は、当方の言うことは判るものの、おそらくそのうちの何割かは自分と妻が出すことになるのではと言っていた(親バカであると自嘲的にではあるが・・・)。
当方も学生時代には飲食店などでアルバイトをした経験があるが、そのころツイッターや携帯電話などが全く存在しない時代であったこともあるが、仮にあったとしても、そのような悪ふざけ写真などを投稿することは考えもしなかったと思う。
これも新聞記事に掲載されていた記事であるが、振込め詐欺で被害者から金を受け取る役割の者の7から8割が10代後半から20代前半の若者とのことである。
おそらく高額のアルバイト代に魅せられて悪事に手を染めているものと予想されるが、その中には中学生も時々いるという。
犯行グループからすると、末端にそのような者を置いておくと追跡されにくくなるので、まさに犯行グループと若者の利害が一致したわけである。
悪ふざけ投稿写真や振込め詐欺に加担する若者の増加は、おそらくこの閉塞された社会と無関係ではないと思われる。
そもそも、非正規雇用者が3割近いという社会は、当方から言わせると異常そのものである。
おそらく我が国は、この後余程しっかりしたリーダーが出て社会全体を引っ張っていかないと、どんどん駄目な国になりそうな気がする。
当方は宗教にそれほと興味がないが、まさに「救世主」的なリーダーの出現が望まれる。
投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)