田瀬法律事務所の日記

2012年2月 6日 月曜日

2つの訃報

最近2つの訃報に接しました。
1つ目は、同じ弁護士会に所属する親しい先輩弁護士のS先生の訃報です。
S先輩は、事務所で夕方に会議中、時に急な心臓の痛みを訴え、救急車で病院に搬送されたものの、一度も意識を回復することなく亡くなられたとのことです。
これからますますご活躍をされようとしていた時期に、あまりにも呆気なく逝ってしまって、当方も訃報を聞いて言葉を失うしかありませんでした。
同じ事務所の同僚弁護士の話によると、ここ数年来は、自宅に帰ることもままならず、事務所近くにワンルームマンションを借りて寝泊まりするという激務の生活を送っていたご様子だとのことです。
まさに、壮絶な戦死とも言える状況と言って過言ではないでしょう。
お世辞にもお上手とは言えませんが、大変ゴルフがお好きで、またワインが好きな先輩でもおられました。

2つ目は当方が司法試験の勉強をし始めた頃に知り合った友人のM氏です。
M氏は、能力、人格、識見など、あらゆる面で非の打ち所ない方で、彼のことを悪く言う人はいないでしょう。また、非常に成績優秀な方でしたので、周囲は数年で司法試験に合格されて法律家になられると思っていました。
しかし、運の巡り合わせが悪かったのか、司法試験合格という夢は果たせないまま受験を断念してご家業をお継ぎになられました。
客観的能力では、明らかにM氏の方が上であったにもかかわらず、能力が下の当方が司法試験に合格し、M氏は試験を断念するという結果になりました。
そして、先日、業務関係の資料をインターネットで検索をしていたところ、M氏が昨年の2月に亡くなられ、間もなく、ご自身が代表をされておられたご家業の会社(関連会社を入れて4社)が昨年の8月、裁判所に自己破産の申立てをしたことを知り唖然としました。
受験という共通の目的がなくなって以降、事実上付き合いは消滅していたですが、M氏が継がれたご家業は大変堅実な会社で、その後はご家業の発展に精を出されていることとばかり思っていました。
当方はあまり信心深い方ではありませんが、神仏はなぜ、このような運命の悪戯をするのか、怒りをぶつけたくなります。
M氏の訃報をインターネットで知った日は、夜遅くなってからそっとM氏に心の中でお別れを言いました。
S先輩もM氏は、ともに50代半ばで、20代前半のお嬢様を残されてのご逝去という共通点がありました。

今は、お二人のご冥福をお祈りするばかりです。

投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)

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