田瀬法律事務所の日記
2011年12月 8日 木曜日
オリンピックメダリストが性犯罪で逮捕
弁護士の田瀬です。
先日、女性9人に性的暴行(強姦、強姦致傷)をした男に、懲役24年の判決と懲役26年の2つの判決が下り、合計50年刑務所で服役することになったというニュースが新聞、テレビのニュースで大きく取り上げられました。
犯人は35歳ということですので、刑務所で人生を終える可能性もあります。
仮に刑期を数年残して仮出所しても80歳を過ぎていて、生きている身内も少ないでしょうから、その後の余生はあまりにも荒涼たる人生です。
邪(よこしま)な欲望のために女性の心身を蹂躙したツケは、極めて重かったと言わざるを得ません。
性犯罪の代表である強姦、強姦致傷は、今や殺人に匹敵する重い犯罪になりました。
殺人でも、例えば、男女間で愛憎のもつれから泥沼の関係となり、被害者が加害者の人格を冒涜する発言をするなど、被害者にも相当な非があるような場合や、無理心中をして生き残ってしまった場合などは、10年以下の懲役ということもあるので、強姦、強姦致傷は、場合によっては殺人より重い罪だと言えるかもしれません。
今週、アテネ、北京という2つのオリンピックで2つの金メダルを獲得した柔道家の内柴正人容疑者が、勤務する熊本県内の大学の柔道部員(未成年者)に対するセクハラを理由に、大学を懲戒解雇された後、同じ未成年者が酒を飲んで抵抗できないことに乗じて性的暴行を加え、準強姦罪で逮捕されたニュースは全国民に衝撃を与えました。
私は、内柴容疑者の2回のオリンピックでの決勝戦をテレビで見ておりました。
2つの決勝戦はともに、非常に切れる立ち技で相手から鮮やかな一本を取り、これぞ日本柔道という勝ち方に、私はテレビ桟敷から大歓声を送ったことを思い出しました。
その後引退して指導者の道を歩み始めた矢先に今回の事件です。
内柴容疑者の逮捕は海外でも大きく報道され、「日本の国技の柔道のオリンピックチャンピョンが未成年者をレイプして逮捕された」とセンセーショナルに報道されているようです。
確かに国技の柔道で金メダルを2つ取った国民的英雄の不祥事は前代未聞です。
内柴容疑者は、逮捕容疑となった事実について、女性の合意があったので強姦にはならないとの言い訳をしていると報道されています。
当方は、性犯罪について犯人を弁護する側、被害者の女性からの依頼で犯人を告訴する側の両方で係わった経験が合わせて数件あります。
多くの人がいる場面で性犯罪の代表である強姦行為は行われません。
当然の性質上、犯行は密室で行われ、犯行を目撃している人はいないのが通常です。
被害を受けた直後に病院に行って、強姦が行われた痕跡が体に残っている場合は、割と犯行を立証し易いのですが、日にちが経てば経つほど犯行の立証は難しくなります。
しかし、犯行から暫く経った場合、犯行の立証は無理かというとそうではありません。
現に、内柴容疑者の場合犯行は9月19日とされており、逮捕は1ヶ月半以上が経過しています。
これは、被害者の訴えの中味が極めて詳細で、犯行の前後の被害者、加害者の行動状況から見て、内柴容疑者がほぼ女性が意識をなくし欠けているのに乗じて犯行を行ったに間違いないと警察が確信したから、今回の逮捕に繋がったのだと思います。
そうでなければ、この逮捕によって内柴容疑者が失うものはあまりにも多く、極端な話、内柴容疑者の今後の人生が余生になるかどうか変わってきますので、警察が内柴容疑者の犯行を確信したので、逮捕という強硬策に出たのだと思います。
この逮捕で、内柴容疑者は、まだ30代半ばであるのに、その後の人生が、完全な余生になってしまうでしょう。
極端な言い方をするなら、その後の余生は息をして食べ物を食べているだけの、単なる「生物」としての生活となってしまう可能性があるからです。
大学は既に懲戒解雇されておりますが、今後、それ以外に失う名誉、栄誉は凄まじいの一言に尽きます。
有罪判決が下るという条件が付くでしょうが、柔道界から永久追放されることは確実で、上級者の象徴ともいうべき黒帯の剥奪ということも考えられます。
また、出身の県や町から送られた県民栄誉賞、町民栄誉賞も取り消される模様で、そうなると、現在住んでいる熊本県にある小さな街にはもう住めないでしょう。
おそらく、奥さんから離婚を求められることは必至で、事実上、最愛の家族とも別れなくてはならない状況になるでしょう。
なぜ、国民的英雄まで上り詰め、最高の栄誉に輝いた稀代の柔道家が、一瞬の邪な欲望に負けたのか理解に苦しみます。
とりわけ、礼節を旨とする競技とも言うべき柔道の世界で世界最高の栄誉に2回も輝いたにもかかわらず、一瞬でそれをフイにしてしまうのですから、邪な欲望に負けることのツケは大変に重いことを改めて思い知りました。
先日、女性9人に性的暴行(強姦、強姦致傷)をした男に、懲役24年の判決と懲役26年の2つの判決が下り、合計50年刑務所で服役することになったというニュースが新聞、テレビのニュースで大きく取り上げられました。
犯人は35歳ということですので、刑務所で人生を終える可能性もあります。
仮に刑期を数年残して仮出所しても80歳を過ぎていて、生きている身内も少ないでしょうから、その後の余生はあまりにも荒涼たる人生です。
邪(よこしま)な欲望のために女性の心身を蹂躙したツケは、極めて重かったと言わざるを得ません。
性犯罪の代表である強姦、強姦致傷は、今や殺人に匹敵する重い犯罪になりました。
殺人でも、例えば、男女間で愛憎のもつれから泥沼の関係となり、被害者が加害者の人格を冒涜する発言をするなど、被害者にも相当な非があるような場合や、無理心中をして生き残ってしまった場合などは、10年以下の懲役ということもあるので、強姦、強姦致傷は、場合によっては殺人より重い罪だと言えるかもしれません。
今週、アテネ、北京という2つのオリンピックで2つの金メダルを獲得した柔道家の内柴正人容疑者が、勤務する熊本県内の大学の柔道部員(未成年者)に対するセクハラを理由に、大学を懲戒解雇された後、同じ未成年者が酒を飲んで抵抗できないことに乗じて性的暴行を加え、準強姦罪で逮捕されたニュースは全国民に衝撃を与えました。
私は、内柴容疑者の2回のオリンピックでの決勝戦をテレビで見ておりました。
2つの決勝戦はともに、非常に切れる立ち技で相手から鮮やかな一本を取り、これぞ日本柔道という勝ち方に、私はテレビ桟敷から大歓声を送ったことを思い出しました。
その後引退して指導者の道を歩み始めた矢先に今回の事件です。
内柴容疑者の逮捕は海外でも大きく報道され、「日本の国技の柔道のオリンピックチャンピョンが未成年者をレイプして逮捕された」とセンセーショナルに報道されているようです。
確かに国技の柔道で金メダルを2つ取った国民的英雄の不祥事は前代未聞です。
内柴容疑者は、逮捕容疑となった事実について、女性の合意があったので強姦にはならないとの言い訳をしていると報道されています。
当方は、性犯罪について犯人を弁護する側、被害者の女性からの依頼で犯人を告訴する側の両方で係わった経験が合わせて数件あります。
多くの人がいる場面で性犯罪の代表である強姦行為は行われません。
当然の性質上、犯行は密室で行われ、犯行を目撃している人はいないのが通常です。
被害を受けた直後に病院に行って、強姦が行われた痕跡が体に残っている場合は、割と犯行を立証し易いのですが、日にちが経てば経つほど犯行の立証は難しくなります。
しかし、犯行から暫く経った場合、犯行の立証は無理かというとそうではありません。
現に、内柴容疑者の場合犯行は9月19日とされており、逮捕は1ヶ月半以上が経過しています。
これは、被害者の訴えの中味が極めて詳細で、犯行の前後の被害者、加害者の行動状況から見て、内柴容疑者がほぼ女性が意識をなくし欠けているのに乗じて犯行を行ったに間違いないと警察が確信したから、今回の逮捕に繋がったのだと思います。
そうでなければ、この逮捕によって内柴容疑者が失うものはあまりにも多く、極端な話、内柴容疑者の今後の人生が余生になるかどうか変わってきますので、警察が内柴容疑者の犯行を確信したので、逮捕という強硬策に出たのだと思います。
この逮捕で、内柴容疑者は、まだ30代半ばであるのに、その後の人生が、完全な余生になってしまうでしょう。
極端な言い方をするなら、その後の余生は息をして食べ物を食べているだけの、単なる「生物」としての生活となってしまう可能性があるからです。
大学は既に懲戒解雇されておりますが、今後、それ以外に失う名誉、栄誉は凄まじいの一言に尽きます。
有罪判決が下るという条件が付くでしょうが、柔道界から永久追放されることは確実で、上級者の象徴ともいうべき黒帯の剥奪ということも考えられます。
また、出身の県や町から送られた県民栄誉賞、町民栄誉賞も取り消される模様で、そうなると、現在住んでいる熊本県にある小さな街にはもう住めないでしょう。
おそらく、奥さんから離婚を求められることは必至で、事実上、最愛の家族とも別れなくてはならない状況になるでしょう。
なぜ、国民的英雄まで上り詰め、最高の栄誉に輝いた稀代の柔道家が、一瞬の邪な欲望に負けたのか理解に苦しみます。
とりわけ、礼節を旨とする競技とも言うべき柔道の世界で世界最高の栄誉に2回も輝いたにもかかわらず、一瞬でそれをフイにしてしまうのですから、邪な欲望に負けることのツケは大変に重いことを改めて思い知りました。
投稿者 田瀬英敏法律事務所(恵比寿の弁護士)